東北タイの墓石
「東北タイの墓」の中で述べたように,東北タイの墓石の形状は非常に変化に富んでいる.しかし少数の例外を除けば,いくつかの基本形の類似であって,類型化できないこともない.ここでは,東北タイに見られる(僧侶や王侯貴族を除く)一般人の墓石の形状の類型化してみたい.
形状による墓石の分類(呼称は筆者による仮のもの)
F. 新様式1
これもまた,数多く見られる(写真3.2b参照).起源はよく分からないが,恐らくクメール様式とパゴダ様式との混合ではないか.北タイ様式も混ざっているかもしれない.ともかく,東北タイ墓石の最新モードである.
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G. 新様式2
突起が多く,けばけばしい.形を見るに,上述した棹石式の逆台形型と直方体型を混合し発展させた(つまり派手にしただけだが)ものではないかと思われる.
![]() 写真3.2b 左のものにはクメール・グーイ伝統様式逆台形型の面影がある.また,右のものは,クメール様式から混合様式へ至る変化過程の産物のようにも見受けられる. |
| 撮影:スリン県 |
墓石はどこから来たか?
東北タイで一般庶民が墓石を建てるようになったのは,ごく最近になってからのことである.庶民が墓石を取り入れていく過程で,それぞれの属する民族の文化は,その墓石の形状に影響したのか,また,墓石の形状はどこにその起源を持つのか,東北タイの墓の存在を知って以来,興味を引かれるところであった.歴史が浅いのなら、東北タイの墓が発展してきた経緯が手に取るように分かるのではないかと考えたのである.東北タイ周辺地域を見て回り、考えをめぐらせた結果については続編(予定)にご期待ください.